医療的ケア児の息子Aoが、初めて3泊4日の短期入所(ショートステイ)を体験しました。
今後、家族のレスパイトなどで利用できる場所を作っておくための体験入所です。
「ちゃんと3泊できるかな」
そんな不安を抱えながら送り出しましたが、施設では座位保持椅子を使えるよう工夫してもらうなど、ありがたい対応もたくさんありました。
一方、まったく予想していなかった問題も。
それが、1回約90分かかる食事介助でした。
施設からは、このままだと今後の受け入れが難しくなる可能性もあるとの話がありました。
この記事では、医療的ケア児のAoが実際に3泊4日の短期入所を利用して分かった、施設での生活、持ち物、食事の問題、そして「預け先を確保する難しさ」を、わが家の体験をもとにまとめます。
医療的ケア児の「短期入所」とは?
今回、Aoが利用したのは「短期入所(ショートステイ)」と呼ばれる障害福祉サービスです。
医療的ケアが必要な子どもの場合は、すべての短期入所先で受け入れてもらえるわけではありません。
必要な医療的ケアや子どもの状態、施設の人員・設備などによって、対応できる施設は異なります。
わが家の場合も、いきなり「それでは来週から預けましょう」となったわけではありませんでした。
まずはAoがその施設で実際に生活できるのか。
施設側も必要なケアに対応できるのか。
それを確認する意味も含めて、3泊4日の体験入所をすることになりました。
短期入所は家族の「休息」のためにも利用できる
短期入所というと、
「親が病気になったときなど、どうしても介護できない場合に利用するもの」
というイメージがあるかもしれません。
しかし、家族の休息(レスパイト)も利用目的の一つです。
医療的ケアが必要な子どもとの生活では、吸引や経管栄養など、その子に必要なケアが毎日続きます。
家族だけで抱え続けるのではなく、必要なときに頼れる場所を持っておくことには大きな意味があります。
わが家にとっても今回の体験入所は、単に「3泊預かってもらう」だけではなく、今後必要になったときにAoをお願いできる場所を作るための一歩でもありました。
「短期入所」と「レスパイト」は必ずしも同じサービスではない
ここは、僕自身も言葉を混同しやすかったところです。
「レスパイト」は、家族が介護やケアから一時的に離れて休息することを広く表す言葉として使われます。
そのため、短期入所をレスパイト目的で利用することもあります。
一方、自治体によっては「在宅レスパイト」のように、看護師などが自宅を訪問し、家族に代わって医療的ケアを行う別の事業もあります。
つまり、
短期入所=必ずレスパイトと同じ制度
というわけではありません。
この記事では、Aoが実際に施設へ宿泊した「短期入所(ショートステイ)」の体験について書いていきます。
初めての利用は3泊4日。
親としても少し緊張しながら送り出したのですが、実際に預けてみると、想像していなかったことがいくつもありました。
医療的ケア児の息子が3泊4日の体験入所へ
Aoが今回利用したのは、重症心身障害児を受け入れている施設です。
今後、家族のレスパイトなどで短期入所を利用できるようにするため、まずは3泊4日の体験入所をすることになりました。
親と離れて3泊することへの不安
これまで入院は何度も経験しています。
でも今回は、治療のための入院ではありません。
「ちゃんと過ごせるかな」
「いつものケアは伝わっているかな」
そんな心配はありました。
一方で、今後のことを考えれば、家族以外の人にAoをお願いできる場所があることはとても大切です。
まずは3泊。そんな気持ちで送り出しました。
施設では「比較的症状が軽い」と言われた
そして、入所して少し驚いたことがあります。
施設の方から見ると、Aoは利用している子どもたちの中では比較的症状が軽い方だったそうです。
普段は医療的ケアが必要なAoを中心に生活しているので、この言葉には少し不思議な感覚がありました。
「それなら、短期入所も問題なく利用できそうかな」
そんな期待もありました。
ところが実際に3泊4日を過ごしてみると、医療的ケアとは別のところに、今後の利用を左右するかもしれない問題が見えてきました。
実際に預けて分かった3泊4日の過ごし方
初めての短期入所だったので、施設でAoがどんな生活をするのか、僕たちにも分からないことがたくさんありました。
3泊4日を経験して、「そうなんだ!」と思ったこともいくつかあります。
3泊4日でも入浴は1回だった
Aoが利用した施設では、今回の3泊4日の滞在中、入浴は1回でした。
そして、ここで一つやらかしました。
ボディソープを持参する必要があったのに、持っていかなかったんです。
そのためAoは、お湯で身体を流してもらうことになりました。
ごめん、Ao……。
施設によって必要な持ち物は違うと思いますが、初めて利用するときは、着替えや医療ケア用品だけでなく入浴用品も確認しておけばよかったと反省しました。
座位保持椅子を持っていったら工夫してくれた
一方で、とてもありがたかったこともあります。
普段Aoが使っている座位保持椅子を、
「使えるか分からないけど、とりあえず持っていこう」
とダメ元で持参しました。
すると施設の方が工夫して、ベッドに固定して使えるようにしてくれました。
おかげでAoも、ずっと寝た姿勢ではなく、座位で過ごす時間を作ってもらえたそうです。
普段使っている福祉用具も、「施設では使えないだろう」とこちらで決めつけず、まず相談してみるものだなと思いました。
こうして生活面ではAoに合わせていろいろ工夫してもらえました。
ところが、今回の体験入所で一番大きな問題になったのは、僕たちが予想していなかった「食事にかかる時間」でした。
一番大きな壁になったのは「医療的ケア」ではなく食事だった
今回の体験入所で、今後の短期入所を考えるうえで大きな問題になったのが食事でした。
Aoはもともと、ミルクを飲むだけでもかなり時間がかかる子です。
ミルクだけでも30分〜1時間かかっていた
Aoはダウン症による低緊張などもあり、ミルクを飲むのに30分〜1時間ほどかかることがありました。

家ではそれがAoのいつものペース。
僕たちにとっても日常になっていました。
ところが施設で多くの子どもを預かるとなれば、話は変わります。
離乳食まで含めると1食約90分
現在はミルクに加えて離乳食もあります。
そのため今回の短期入所では、1回の食事介助に約90分かかったそうです。
これが1日2食。(執筆時点で1歳7ヶ月ですが、まだ3回食にはなっていません)
単純計算すれば、Ao一人の食事だけで1日にかなりの時間が必要になります。
施設からも、この食事時間については負担が大きいという話がありました。
そして、今後も同じように短期入所を受け入れられるかは分からないとのことでした。
これは正直、予想していませんでした。
医療的ケアの内容ではなく、毎日の「食べること」が受け入れの壁になる可能性があったからです。
家では当たり前になっていた90分。
でも、施設で生活するとなると、その90分の意味はまったく違う。
今回の体験入所で、短期入所は「空きがあれば預けられる」という単純なものではないのだと実感しました。
医療的ケア児なら誰でも短期入所できるわけではないと知った
今回の体験で実感したのは、短期入所の施設が見つかれば、それで預け先が確保できるわけではないということでした。
受け入れ条件は施設によって違う
医療的ケア児といっても、必要なケアや介助は一人ひとり違います。
そして施設側にも、人員配置や設備などの事情があります。
そのため、対応できる医療的ケアや受け入れ条件は施設によって異なります。
Aoの場合は、医療的ケアそのものよりも「食事介助に長い時間が必要」という部分が課題になりました。
これは実際に3泊4日を過ごしてみなければ、僕たちにも分からなかったことです。
「必要なときに預けられる場所」を持つ難しさ
医療的ケア児を育てていると、親の体調不良や用事、きょうだいの予定など、どうしても家族だけでは対応できない場面が出てくる可能性があります。
だからこそ、わが家も短期入所を利用できるようにしておきたいと考えています。
でも今回、
「一度利用できた=これからも必要なときに利用できる」ではない
ことも分かりました。
預け先を探すだけでなく、実際にその子の生活やケアに対応してもらえるか。
そこまで確認して初めて、「頼れる場所」になるのだと思います。
初めて短期入所を利用して事前に確認しておけばよかったこと
3泊4日を経験して、「これは先に聞いておけばよかった」と思ったこともありました。
これから初めて短期入所を利用する方なら、次のような点を事前に確認しておくと安心だと思います。
- 入浴は何回あるのか
- シャンプーやボディソープは持参するのか
- 普段使っている福祉用具を持ち込めるか
- 食事に時間がかかる場合、どこまで対応できるか
- 普段のケアや生活リズムをどう伝えるか
特に持ち物は施設によって違います。
わが家のように「ボディソープがなかった!」と後から気づかないためにも、医療ケア用品だけでなく生活用品まで確認するのがおすすめです。
また、座位保持椅子のように「持っていっても使えないかな?」と思うものでも、まず相談してみる価値はあります。
初めてだから分からないのは当然。
今回の経験で、遠慮せず細かいところまで聞いておくことも、短期入所の準備の一つだと感じました。
3泊4日の短期入所を終えて感じたこと
初めてAoを短期入所に送り出す前は、不安もありました。
でも実際には、座位保持椅子を使えるよう工夫してくれるなど、Aoに合わせて生活できる方法を考えてもらえたことが本当にありがたかったです。
一方で、食事に約90分かかることから、今後も同じように受け入れてもらえるとは限らないことも分かりました。
医療的ケア児を育てていると、家族だけではどうにもならない日がいつか来るかもしれません。
だから僕たちにとって短期入所は、単に「親が休むための場所」というだけではありません。
必要なときにAoを安心してお願いできる場所を、家族以外にも作っておくこと。
その意味はとても大きいと感じています。
今回の3泊4日は無事に終わりました。
でも、本当に大切なのはここから。
Aoに合った形で、これからも頼れる場所とつながっていけたらと思っています。
まとめ|短期入所は実際に利用して初めて分かることもあった
Aoの3泊4日の短期入所では、想像していなかったことがいくつもありました。
入浴用品を忘れてしまったこと。
座位保持椅子を施設の方が工夫して使ってくれたこと。
そして何より、1回約90分かかる食事が今後の受け入れの壁になるかもしれないと分かったこと。
家では当たり前になっているケアや生活も、施設では同じようにできるとは限りません。
だからこそ、短期入所を検討するときは「預かってもらえるか」だけではなく、わが子の普段の生活をどこまで再現できるのか、どんな部分が難しいのかを事前に相談することが大切だと感じました。
それでも、家族以外にAoをお願いできる場所があることは、僕たちにとって大きな安心につながります。
今回の経験を生かしながら、これからもAoに合った「頼れる場所」を少しずつ増やしていけたらと思います。

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