「市長は賃上げ、幼稚園教諭は賃下げ。」
この見出しが、いまXで大きく拡散しています。
大津市が、市立幼稚園教員の給与体系を見直す条例改正案を提出。
可決されれば2026年度から施行され、約400人の幼稚園教諭にとって実質的な賃下げになる可能性があります。

一方で同時に、市長や議員の報酬は2.3〜6.6%引き上げる案も提出。
理由は「物価高」と「他自治体との比較」。
待機児童が2年連続で全国最多という現状の中で、なぜいま教育現場の給与を下げるのか。
これは単なる人事制度の調整でしょうか。
それとも、私たちが“誰を優先する社会なのか”というメッセージなのでしょうか。
我が子を保育園に預ける父親として、正直、他人事とは思えませんでした。
大津市が幼稚園教諭の給与見直し条例案を提出

19日に開会した大津市議会2月通常会議で、市立幼稚園教員の給与体系を見直す条例改正案が提案されました。
報道によれば、保育所に勤務する保育士の給与水準に合わせる形で見直す内容で、可決されれば2026年度から施行予定です。
対象となるのは現在約400人いる市立幼稚園教員。実質的な賃下げになると見られています。
保育士との均衡を理由に賃下げへ
今回の条例案の目的は「保育士との均衡を図る」ことと説明されています。
しかし、市民団体「市民ネット21」のまとめによると、現場の園長からは次のような説明があったと指摘されています。
・若年層で約1万円の減額
・中堅層で約2万円の減額

月額で1〜2万円の減額は、年収換算すれば十数万円規模になります。
物価高が続く中での減額は、家計への影響も決して小さくありません。
さらにアンケートでは、108人中37人が「給与引き下げなら退職・退職検討・勤務継続検討」と回答。
これは市内公立幼稚園教員のおよそ2〜3割に相当するとされています。
すでに保育現場の人材不足が全国的な課題となっている中で、この数字は見過ごせないものです。
「就学前教育を守る会」が請願提出
この動きに対し、市の元教員ら有志でつくる「就学前教育を守る会」(大塚清高代表)は同日、
・賃下げにならないこと
・幼稚園教職員が安心して働き続けられる環境整備
を求める請願を市議会に提出しました。
市側は「在職者には現給保障を行う予定であることを丁寧に説明していく」としていますが、それ以上の具体的な処遇改善策やインセンティブの提示は現時点では明確になっていません。
現給保障はあくまで「今いる人」への措置。
これから入ってくる若い世代にとっては、確実に水準が下がることになります。
将来の担い手をどう確保するのか。
この点が、今回の条例案の大きな論点になりそうです。
一方で市長・議員は賃上げ案を同時提出

今回の条例改正案が大きな波紋を呼んでいる理由は、幼稚園教諭の賃下げ案と同時に、市長や議員の報酬を引き上げる条例案も提出されている点にあります。
特別職は2.3〜6.6%引き上げ
報道によると、市長ら特別職と市議会議員の給与は2.3%〜6.6%引き上げとなる改正案が同時に提出されています。
引き上げ理由は、
・物価高への対応
・他自治体との比較
と説明されています。
ここで多くの市民が感じたのが「整合性」の問題です。
物価高が理由ならば、同じように物価の影響を受ける幼稚園教諭にも当てはまるはずではないのか。
他自治体との比較をするなら、なぜ教育現場だけは“低い側”に合わせるのか。
この対比が、「市長は賃上げ、幼稚園教諭は賃下げ」という構図として拡散され、Xでは一気に炎上状態となりました。
待機児童全国最多の大津市の現状
さらに議論を加熱させているのが、大津市の保育環境の現状です。
大津市の待機児童数は、
・2024年4月1日時点:184人
・2025年4月1日時点:132人
と、2年連続で全国最多となっています。
子育て支援の拡充が強く求められる状況の中で、現場人材の処遇を引き下げる方向性は、時代の流れと逆行しているのではないかという声が上がっています。
保育・幼児教育は「コスト」なのか、それとも「未来への投資」なのか。
この問いが、今回の炎上の背景にあります。
なぜ炎上?「市長は賃上げ、幼稚園教諭は賃下げ」の対比
今回の大津市の幼稚園教諭賃下げ案が炎上している最大の理由は、単なる“給与見直し”ではなく、「誰を優先するのか」というメッセージとして受け止められている点にあります。
整合性を欠く政策との指摘
市長や特別職の賃上げ理由は「物価高」や「他自治体との比較」。
しかし、その理屈をそのまま当てはめるなら、幼稚園教諭も同様に物価の影響を受け、他自治体と比較されるべき立場です。
にもかかわらず、
・特別職は“高い水準に合わせる”
・幼稚園教諭は“低い水準に合わせる”
という構図に見えるため、「整合性を欠いている」との批判が強まっています。
市民ネット21が2025年度11月通常会議でこの点を取り上げた際も、市側の回答は具体性に乏しく、のらりくらりとした印象だったとまとめられています。
制度上の説明は可能でも、市民の感情的な納得には至っていない。
そこに火種が広がった形です。
Xで広がる市民の声
Xでは辛辣な意見が並んでいます。
「議員報酬も日本一水準の低い市に合わせなきゃ整合性が取れないでしょ」
「これやったら大津市から幼稚園教諭いなくなるよ?」
「低賃金→成り手不足→質の低下という悪循環になる」
感情的な言葉もありますが、根底にあるのは共通した不安です。
- 人材流出
- 保育の質の低下
- 子育て環境の悪化
待機児童が全国最多という現状を抱える中で、さらに人材確保が難しくなるのではないかという懸念が広がっています。
炎上は単なる対立構図ではなく、「子どもをどう守るのか」という不安の噴出とも言えるのかもしれません。
市民ネット21の指摘と市の回答

今回の大津市「幼稚園教諭賃下げ」条例案をめぐり、市民団体「市民ネット21」は市議会で問題点を整理しています。その内容は、感情論ではなく、具体的な数字と現場の声に基づくものでした。
約2〜3割が退職検討という現実
市民ネット21のまとめによると、園長からは次のような説明があったと指摘されています。
・若年層で約1万円の減額
・中堅層で約2万円の減額
さらに、教員108人へのアンケートでは、
37人が
「退職」
「退職を検討」
「勤務継続を検討」
と回答。
これは、市内公立幼稚園教員の約2〜3割に相当する可能性があるとされています。
保育や幼児教育は、代替が簡単にきく仕事ではありません。
担任の先生が変わることは、子どもにとって大きな環境変化です。
特に就学前の子どもにとって、安心できる大人の存在は心の土台になります。
人材の流動が激しくなれば、その影響は子どもに直接跳ね返ります。
現給保障の説明のみで具体策はなし
市側は、
「在職者には現給保障を行う予定であることを丁寧に説明していく」
と回答しています。
しかし、
・将来的な昇給制度の明確化
・人材確保のための具体的インセンティブ
・処遇改善策の提示
といった踏み込んだ施策は、現時点では示されていません。
現給保障は“今いる人”への一時的措置。
これから幼稚園教諭を目指す若い世代にとっては、給与水準が下がる前提になります。
全国的に保育士・幼稚園教諭のなり手不足が課題となる中で、この方向性が長期的にどう影響するのか。
単年度の人件費調整なのか、それとも教育政策の方向転換なのか。
そこが、いま問われているポイントです。
Aoパパ考察|子どもを守る仕事にお金をかけない社会の行き先

ここからは、ひとりの父親として、そして教育現場を知る立場としての考察です。
今回の大津市「幼稚園教諭賃下げ」問題は、単なる給与の話ではないと感じています。
問われているのは、「私たちは誰に投資する社会なのか」という価値観です。
現場はすでに“善意”で回っている
私の知り合いにも幼稚園教諭がいます。
・教具や教材は自腹
・時間外手当はほぼなし
・行事の休日出勤は無給に近い
・持ち帰り仕事が常態化
それでも、子どもたちの笑顔のために踏ん張っている。
我が子を保育園に通わせている身として、先生方の尽力には本当に頭が下がります。
朝の受け入れ、発達の相談、トラブル対応、行事準備。
一つひとつが「命と心」を扱う仕事です。
それなのに、制度上の調整という名のもとで賃下げが議論される。
現場は、すでに“善意”で支えられている部分が大きい。
そこにさらに負担をかける構図は、長くは続きません。
子どもに投資しない社会に未来はあるのか
幼稚園教諭や保育士は、子どもの土台をつくる仕事です。
・自己肯定感
・集団生活の基礎
・社会性の芽
ここが揺らげば、将来の教育コストや社会コストは必ず跳ね返ってきます。
全国的に子育て政策への関心が高まり、処遇改善に動く自治体も増えている中で、今回の大津市の方向性は「時代と逆行している」と受け止められても仕方がない部分があります。
もちろん財政の事情はあるでしょう。
しかし、優先順位はどこに置くのか。
市長は賃上げ、幼稚園教諭は賃下げ。
この構図が象徴しているのは、「未来への投資」の在り方ではないでしょうか。
子どもを大切にしない国に、未来はあるのか。
それは大きすぎる問いかもしれません。
でも、少なくとも地方自治体の判断は、地域の未来を映します。
あなたは、この政策をどう感じましたか?

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