「療育手帳の発達検査って、何をするんだろう?」
「うちの子、ちゃんと検査を受けられるのかな……」
これから療育手帳を申請するとなると、判定そのもの以上に、児童相談所で行われる発達検査の内容が分からず不安になる方も多いと思います。
私たちも、1歳6ヶ月のAoを連れて発達検査を受けてきました。
検査は、子どもを机に座らせて問題を解かせるようなものではありません。
Aoの場合は床に寝た状態で心理士さんが反応や身体の動きを確認しながら、私たち親にも、
「首はすわっていますか?」
「腰はすわっていますか?」
「発語はありますか?」
「離乳食はどのくらい進んでいますか?」
と、普段の生活について質問していく形でした。
使われたのはKIDS(キッズ)乳幼児発達スケールです。
そして検査後、心理士さんから慎重に、
「今の状態がずっと続くとは限りません」
と説明されました。
私は一瞬、
「あれ?もしかして手帳が交付されないくらいなのかな?」
と思いました。
結果は、まったく逆でした。
A1――最重度。
Aoは知的発達だけならA2(重度)相当でしたが、身体障害者手帳1級も取得しているため、両方を合わせてA1という判定になりました。
この記事では、療育手帳の発達検査では実際に何をするのか、KIDSでは何を聞かれたのか、検査時間や予約時期、そしてなぜAoがA1になったのかを、実際に児童相談所で判定を受けた父親の立場からまとめます。
療育手帳を取得するか迷っている方にも、「検査を受けたら子どもの将来まで決まってしまうの?」という不安まで含めて、我が家が実際に経験して分かったことをお伝えします。
療育手帳の発達検査は何をする?Aoが実際に受けた検査の内容
療育手帳を取得しようと考えたとき、私が事前に知りたかったことの一つが、
「児童相談所の発達検査って、実際に何をするんだろう?」
ということでした。
大人の試験のように、決められた問題に答えられるかを見るのか。
まだ言葉を話せない子は、どうやって発達を調べるのか。
子どもの機嫌が悪かったら、正しく判定してもらえないのではないか。
これから療育手帳の発達検査を受ける方の中にも、同じような不安があるかもしれません。
Aoが1歳6ヶ月で受けた発達検査は、子どもに問題を出して正解・不正解を判定するようなものではありませんでした。
心理士さんがAoの様子を直接確認するとともに、普段の生活について私たち親に質問しながら進めていく形でした。
Aoを床に寝かせ、心理士さんが反応や身体の動きを確認
検査室に入ると、Aoを床に寝かせた状態で発達検査が始まりました。
心理士さんがAoに触れたり、声をかけたりしながら、そのときの反応や身体の状態を確認していきます。
Aoは自分で座って検査を受けたり、質問に言葉で答えたりできる状態ではありません。
それでも、その子が今できることを実際の様子と普段の生活の両方から確認していくため、検査を進めることができました。
これから検査を受ける方には、ここは少し安心材料になるかもしれません。
「検査の日にちゃんとできなかったらどうしよう」
「人見知りして何もしなかったら判定できないのでは?」
と心配になるかもしれませんが、少なくともAoの場合、その場で何かを成功させることだけで判断される検査ではありませんでした。
親には首すわり・腰すわり・発語・離乳食などを質問された
心理士さんから私たち親への聞き取りもありました。
実際に聞かれたのは、
- 首はすわっているか
- 腰はすわっているか
- 発語はあるか
- 離乳食はどの程度進んでいるか
- 普段どのように生活しているか
など、日常生活の中でAoが何をできるのかという内容です。
普段から一緒に生活している親だからこそ分かる情報を、一つずつ答えていきました。
Aoの場合、ダウン症に加えて身体障がいやてんかんなどもあり、発達の遅れはかなり大きい状態です。
そのため、
「できません」
と答える項目も当然たくさんありました。
でも、これは子どもを評価して「できないこと」を責めるためのテストではありません。
今どのくらいの発達段階にいるのかを把握し、療育手帳の判定につなげるための確認です。
親としては「できない」と何度も答えるのは少しつらい部分もあります。
それでも、ここで実際よりできるように答えてしまったら、Aoの今の状態が正しく伝わりません。
私たちは、普段のAoの様子をそのまま答えました。
検査前に「普段できていること」を整理しておくと答えやすい
実際に検査を受けてみて感じたのは、特別な「試験対策」は必要ないということです。
むしろ大切なのは、普段の子どもの様子をそのまま伝えられることだと思います。
検査当日は、いつも家でできていることをやってくれるとは限りません。
眠かったり、場所に緊張したり、知らない人を警戒したりすることもあります。
だからこそ、
「家ではこうしています」
「普段ならこれはできます」
「これはまだできません」
と説明できるようにしておくと、聞き取りにも答えやすいはずです。
Aoの検査でも、心理士さんがその場で確認した様子だけではなく、私たちへの質問を通して普段の発達状況を確認していました。
そして、このとき使われたのが「KIDS(キッズ)乳幼児発達スケール」という発達検査でした。
次は、KIDS乳幼児発達スケールでは何を見るのか、一般的な知能検査とは何が違うのかを、Aoが受けた検査をもとに整理します。
療育手帳の判定で受けた「KIDS乳幼児発達スケール」とは
Aoが療育手帳の判定を受ける際に使われたのが、KIDS(キッズ)乳幼児発達スケールです。
名前だけを見ると、
「子どもに何か問題を解かせるのかな?」
と思うかもしれません。
でも、Aoが受けた検査では、机に座って問題用紙に答えるようなことはありませんでした。
前述したように、心理士さんがAoの様子を確認しながら、私たち親にも普段の生活について質問していく形で進みました。
KIDSは普段の行動から子どもの発達を確認する検査
KIDS乳幼児発達スケールは、生後1ヶ月から6歳11ヶ月までの子どもを対象に、日頃の行動から発達状況を確認する検査です。
子どもの年齢などによって使用するタイプが分かれており、保護者など普段の様子をよく知っている人が質問に答えていきます。
質問項目はタイプによって異なりますが、約130項目を目安として、
- 運動
- 手先の操作
- 言葉の理解
- 言葉での表現
- 社会性
- 食事
など、さまざまな領域から発達を確認します。
KIDSを開発・提供している発達科学研究教育センターでも、普段の子どもの行動について保護者などに回答してもらうことで、発達を総合的に捉える検査とされています。
Aoのときに「首はすわっていますか?」「腰はすわっていますか?」「発語はありますか?」「離乳食はどのくらい進んでいますか?」などと聞かれたのも、このように日常生活から発達を確認するためだったわけです。
実際に受けてみると、「検査」という言葉から想像していたものより、普段のAoについて心理士さんと一緒に確認していく感覚に近いものでした。
「できない項目が多いとダメ」という検査ではない
親として少し心にくるのは、
「これはできますか?」
と聞かれて、
「できません」
と答えることが続くことです。
特に、発達に大きな遅れがあることを分かっていても、改めて一つずつ確認されると、普段は意識していなかった「できないこと」が目の前に並んでいきます。
Aoの場合も、できない項目はたくさんありました。
ただ、療育手帳のための発達検査は、子どもに点数をつけて優劣を決めるためのものではありません。
今の発達状態をできるだけ正確に把握するためのものです。
だから私たちも、
「これは少しできることにしておこう」
とは考えず、普段のAoをそのまま伝えました。
療育手帳は、その子に必要な支援につながるためのものでもあります。
そう考えると、検査でよく見せることより、今の状態を正しく知ってもらうことの方が大切だと私は思います。
KIDSは「IQがいくつ」と測る検査とは少し違う
ここも、私自身が検査を受けるまでよく分かっていなかったところです。
KIDS乳幼児発達スケールでは、各領域の発達年齢や発達指数などから、子どもの発達状態を捉えます。
一方、一般に知られているWISCなどは知能検査です。
そのため、KIDSの結果をそのまま、
「IQが○○だった」
と考えるのは正確ではありません。
Aoについても、今回の検査結果から「IQ○○です」と伝えられたわけではありませんでした。
私たちが説明されたのは、知的発達の状態としては療育手帳のA2(重度)相当になるということです。
ところが、実際にAoへ交付される療育手帳の判定は、
A1(最重度)
でした。
「知的にはA2なのに、なぜ手帳はA1なの?」
ここには、Aoがすでに持っていた重度の身体障がいが関係していました。
次は、今回の療育手帳で最も分かりにくかった、AoがA1判定になった理由について実際に受けた説明をもとに書いていきます。
療育手帳はA1(最重度)|知的にはA2でもA1になった理由
発達検査を終えたAoの療育手帳の判定は、A1(最重度)でした。
ただ、ここには少し分かりにくい部分があります。
今回の検査で、Aoの知的発達だけを見るとA2(重度)相当と説明されました。
それなのに、最終的な療育手帳の判定はA1。
その理由は、Aoには知的障がいだけでなく、重度の身体障がいもあるからでした。
Aoは知的発達だけならA2(重度)相当だった
療育手帳の区分や判定基準は自治体によって異なります。
私たちの住む地域では、
- A1:最重度
- A2:重度
- B1:中度
- B2:軽度
という4つの区分があります。
数字やアルファベットだけを見ると少し分かりにくいですが、Aoについては今回の発達検査の結果、知的発達だけならA2に該当する状態と説明されました。
Aoはダウン症があり、発達にも大きな遅れがあります。
さらに、脳室周囲白質軟化症(PVL)による身体障がいや、後天的に発症した乳児てんかん性スパズム症候群(旧:点頭てんかん・ウエスト症候群)の影響もあります。
特にてんかんを発症してからは、知的にも身体的にも発達への影響が大きく、現在のAoはかなり重い状態です。
PVLやウエスト症候群については、それぞれ別の記事で詳しく書いているので、ここでは療育手帳の判定に関係する部分だけに絞ります。
身体障害者手帳1級もあるため最終判定はA1になった
Aoはすでに身体障害者手帳1級を取得しています。
身体障害者手帳は、基本的に数字が小さいほど障がいの程度が重くなります。
Aoの場合、PVLなどの影響による肢体不自由があり、上肢は2級、下肢は1級相当。
身体障害者手帳としては1級です。
下肢については、診断書に「全廃」と記載されています。
「全廃」という言葉だけを見るとかなり強い表現ですが、下肢の機能を失い、立ったり歩いたりするための機能が極めて大きく制限されている状態を指す判定上の表現です。
そして、ここが今回の療育手帳A1判定につながりました。
私たちの地域では、知的障がいが重度で、一定以上の身体障がいも重複している場合、療育手帳では最重度の区分として判定される基準があります。
Aoは、
知的発達:A2(重度)相当
+
身体障害者手帳:1級
↓
療育手帳:A1(最重度)
という判定になったと説明を受けました。
つまり、「知的発達がA1相当だったからA1になった」というわけではなかったんです。
私も実際に説明を受けるまで、この仕組みは知りませんでした。
A1・A2などの区分や判定基準は自治体によって違う
ここは、これから療育手帳を取得する方に特に注意してほしいところです。
療育手帳は全国でまったく同じ名称・区分・判定基準が使われている制度ではありません。
自治体によってはA・Bなど別の区分を使っていたり、療育手帳ではない名称が使われていたりします。
そのため、この記事で紹介している、
「知的にはA2相当+身体障害者手帳1級=A1」
というAoのケースを、そのまま全国の子どもに当てはめることはできません。
この記事で書いているのは、あくまで私たちが実際に受けた判定と、その際に説明された内容です。
これから申請する場合は、お住まいの自治体や判定を担当する機関に確認するのが一番確実だと思います。
そして、私たちにとってもう一つ印象に残っているのが、このA1という結果を心理士さんから告げられたときのことです。
結果を聞く直前の説明がとても慎重だったため、私はむしろ、
「もしかして、手帳が交付されないくらいなのかな?」
と思っていました。
実際に告げられた結果は、その予想とはまったく逆でした。
「今の結果がずっと続くわけではない」A1判定を告げられたとき
KIDS乳幼児発達スケールによる確認が終わると、結果が出るまで15分ほど待ちました。
そして心理士さんから、今回の発達検査について説明を受けます。
このときの伝え方が、とても慎重だったことを覚えています。
「てんかんの影響もあるから」と前置きされた
結果を伝える前に、心理士さんからこんな趣旨の説明がありました。
「てんかんの影響もあって、今は発達に大きく影響が出ている状態です。ずっとこの結果とは限りません。また1年後に再判定します」
Aoは、乳児てんかん性スパズム症候群(旧:点頭てんかん・ウエスト症候群)を発症しています。
発作だけでなく発達にも大きな影響が出ることがある病気で、Aoも発症後はできなくなったことがありました。
その事情も踏まえて、心理士さんは慎重に説明してくれたのだと思います。
ただ、この前置きを聞いた私は、少し違う受け取り方をしました。
「あれ?もしかして、自分たちが思っていたほど重くないのかな?」
Aoには身体障害者手帳1級があり、普段の生活を見ても発達に大きな遅れがあることは分かっています。
それでも、
「今だけ状態が悪く見えている」
「1年後には結果が変わるかもしれない」
という説明が続いたので、
「もしかしたら療育手帳も交付されないくらいなのかも?」
と、一瞬思ったんです。
そして告げられた結果は――。
A1。最重度でした。
完全に逆でした。
心理士さんの説明は、「軽いから心配しなくていい」という意味ではなく、最重度という結果を受け取る私たちに対して、「今の判定がこの先ずっと変わらないと決まったわけではありません」と伝えてくれていたのだと思います。
「最重度」と文字で示される重さはやっぱりあった
正直なところ、A1と聞いて、
「そんなに重かったのか」
と初めて気づいたわけではありません。
Aoと毎日生活しているのは私たちです。
ダウン症があり、PVLによる身体障がいがあり、身体障害者手帳は1級。
さらにウエスト症候群を発症し、知的にも身体的にも大きな影響が出ている。
状態が重いことは、検査を受ける前から分かっていました。
それでも、公的な判定として、
「A1(最重度)」
と示されるのは、また別の重さがあります。
普段は「Aoが昨日より何ができるようになったか」を見ながら生活しています。
そこにはA1もA2もありません。
でも発達検査では、今のAoの状態が客観的に評価され、区分として示されます。
分かっていた現実を、改めて文字で見せられる。
それは親として、決して何も感じないものではありませんでした。
一方で、療育手帳の判定は、Aoの将来の可能性を決めるものでもありません。
今回の結果は、検査を受けた時点でのAoの状態をもとにした判定です。
だからこそ、まだ発達の変化が大きい時期のAoは、1年後に再び判定を受けることになりました。
そして、この日の児童相談所での手続きは、到着してから帰るまでおよそ1時間半。
私が事前に想像していたよりも、検査そのものは淡々と進んでいきました。
次は、これから療育手帳の発達検査を受ける方が気になるであろう、予約した時期や当日にかかった時間について、私たちの場合をまとめます。
療育手帳の発達検査にかかった時間と予約時期|我が家の場合
これから療育手帳を申請する方にとって、
「発達検査はどのくらい時間がかかる?」
「何歳から受けられる?」
「いつ頃予約すればいい?」
という部分も気になると思います。
ここは自治体によって違いがあるため、全国共通のルールとしてではなく、あくまで私たちが実際に経験したケースとして紹介します。
児童相談所に着いてから帰るまで約1時間半だった
私たちの場合、児童相談所に到着してから、すべて終えて帰るまでにかかった時間は約1時間半でした。
その中で、
- 受付
- 心理士さんによるAoの様子の確認
- 親への聞き取り
- KIDS乳幼児発達スケールによる評価
- 結果が出るまでの待ち時間
- 判定結果の説明
という流れで進みました。
前述したとおり、検査終了後は結果を聞くまで15分ほど待っています。
もちろん子どもの年齢や状態、使用する検査、児童相談所の混雑状況などによって所要時間は変わると思います。
それでも、これから初めて行く方にとって、「我が家の場合は全部で1時間半くらいだった」という一つの目安にはなるかと思います。
小さい子どもを連れて長時間外出するのは、それだけでも大変です。
必要な医療機器やケア用品、おむつ、飲み物など、普段の外出に必要なものは余裕を持って準備しておくと安心です。
私たちは1歳3ヶ月になった日に予約した
療育手帳はできるだけ早く取得したいと考えていたので、私たちは事前に児童相談所へ問い合わせていました。
私たちの地域では、
「1歳6ヶ月以降でなければ今回の判定は受けられない」
との説明でした。
さらに、予約できるのは3ヶ月前から。
そのため我が家は、Aoが1歳3ヶ月になった当日に連絡して予約を取りました。
「ずいぶん早くから動いているな」と思われるかもしれません。
でも、我が家では療育手帳を取ること自体は以前から決めていました。
使える制度や支援があるなら、できるだけ早くつながっておきたい。
何より、
「知らなかった」「申請していなかった」という理由で、Aoが受けられる支援を逃したくない
という気持ちが強かったからです。
何歳から申請できるかは自治体に直接確認するのが確実
ここは特に注意してほしいところです。
私たちの場合は1歳6ヶ月以降でしたが、「療育手帳は全国どこでも1歳6ヶ月から」と決まっているわけではありません。
療育手帳は自治体によって、名称だけでなく判定方法や手続きにも違いがあります。
また、今回Aoが受けたKIDS乳幼児発達スケール自体が「1歳6ヶ月からしか使えない検査」というわけでもありません。
そのため、
「うちの子も1歳6ヶ月まで待たないといけないのかな?」
とこの記事だけで判断せず、お住まいの自治体や児童相談所など、療育手帳の判定を担当している窓口へ直接確認することをおすすめします。
私たちも問い合わせたことで、
「何歳から受けられるのか」
「いつから予約できるのか」
が分かり、最短で動くことができました。
そして、ここまで早く動いた背景には、もう一つ理由があります。
私たちは最初から、療育手帳を取得することをAoにとってマイナスだとは考えていませんでした。
一方で、「療育手帳を取ってしまっていいのだろうか」と迷う親御さんがいることも分かります。
次は最後に、療育手帳を取得するか悩んでいる方へ、私たち夫婦がなぜ取得を決めたのかを書いておきたいと思います。
療育手帳を取得するか迷っている親御さんへ
療育手帳について調べていると、
「本当に申請した方がいいのかな」
「手帳を持つことで、子どもの将来に影響しないだろうか」
と迷う方もいると思います。
我が家の場合、Aoには身体的にも知的にも大きな障がいがあることが分かっていたため、療育手帳を取得すること自体にはそれほど迷いませんでした。
もちろん、「A1(最重度)」という判定を受け止めることと、手帳を取得することを決めることは別の話です。
最重度という言葉を見れば、親として何も感じないわけではありません。
それでも私たち夫婦には、最初から共通していた考えがありました。
我が家は「少しでも支援の手を増やそう」と決めた
Aoに障がいがあることは、療育手帳を取得してもしなくても変わりません。
手帳を申請しなければ、障がいがなくなるわけでもありません。
だったら、
Aoが利用できる支援につながる可能性を、少しでも増やしたい。
私たちはそう考えました。
療育手帳を取得することで利用できる制度やサービスは、手帳の区分や自治体などによって異なります。
だからこそ我が家では、「使うかどうかは後から考えればいい。でも、必要になったときに使える選択肢は持っておきたい」と考えました。
以前の記事でも書きましたが、私たち夫婦が一番避けたかったのは、
「本当は受けられる支援があったのに、知らなかった・申請していなかったために利用できなかった」
ということでした。
療育手帳も、その考えで取得しています。
私にとって手帳は、Aoに「障がいがある」と証明するためだけのものではありません。
Aoにつながる支援の手を、一つでも増やすためのもの。
今はそう考えています。
療育手帳を取得しただけで子どもの将来が決まるわけではない
療育手帳の取得を迷う理由の一つに、
「手帳を取ったら、ずっと障がい者として生きていくことになるのでは?」
「将来の進学や就職まで決まってしまうのでは?」
という不安もあるかもしれません。
でも、療育手帳を取得したことだけで、支援学級や特別支援学校への進学が自動的に決まるわけではありません。
就労についても同じです。
手帳を持っているからといって、将来の選択肢が一つに決められるものではありません。
そもそもAo自身も、まだこれからどう成長していくのか分かりません。
今回の療育手帳も、1年後には再判定があります。
だから私たちは、
「今A1だから、Aoの将来はこうなる」
とは考えないようにしています。
今のAoに必要な支援は何か。
その時々で、本人にとって一番いい環境は何か。
それを考えていけばいいと思っています。
手帳を取る・取らないより「目の前の子どもに必要か」で考える
療育手帳を取得することに抵抗を感じる気持ちを、私は否定するつもりはありません。
家庭によって子どもの状態も違えば、考え方も違います。
だから、
「発達に遅れがあるなら絶対に療育手帳を取るべき」
とは思いません。
ただ、もし「手帳を取得したら子どもの可能性を狭めてしまうのでは」と心配しているのであれば、手帳を持つことと、その子の可能性は分けて考えてもいいのではないかと思います。
我が家は、Aoの障がいを受け入れたうえで、
「今使える支援の手を増やそう」
という選択をしました。
そして実際に療育手帳の発達検査を受けてみると、想像していたような「子どもを試す試験」ではありませんでした。
Aoを床に寝かせた状態で心理士さんが様子を確認し、私たちが普段の生活について答える。
そして、今のAoの状態をもとにA1という判定が出ました。
この記事で紹介したのは、あくまで1歳6ヶ月のAoが実際に療育手帳の判定を受けたときの一例です。
判定方法や年齢、区分などは地域によって異なります。
それでも、
「児童相談所で何をするんだろう」
「発達検査が怖い」
「療育手帳を取るべきか迷っている」
という方にとって、検査室の中が少しでもイメージできる一次情報になれば嬉しいです。
手帳の区分よりも大切なのは、目の前にいる子どもにとって何が一番いいのか。
私たちも、その答えをこれからもAoと一緒に探していきます。
まとめ|療育手帳の発達検査は「できないことを責める検査」ではなかった
今回は、Aoが1歳6ヶ月で療育手帳の発達検査を受け、A1(最重度)と判定されたときの実体験をまとめました。
私たちが実際に経験した流れを振り返ると、
- Aoを床に寝かせ、心理士さんが反応や身体の状態を確認
- 首すわり・腰すわり・発語・離乳食などについて親へ聞き取り
- KIDS乳幼児発達スケールを使って発達状況を確認
- 検査終了後、約15分待って結果説明
- 児童相談所に到着してから帰るまで約1時間半
- 知的発達はA2(重度)相当だったものの、重度の身体障がいもありA1(最重度)と判定
というものでした。
療育手帳は、児童相談所などで知的障がいがあると判定された方に交付され、各種の支援につながりやすくするための制度です。一方、判定基準や運用方法は自治体ごとに定められているため、この記事で紹介したAoのケースが全国共通というわけではありません。 (厚生労働省)
「A1」という結果より、Aoの今を見る
発達検査を受ける前から、Aoの障がいが重いことは分かっていました。
それでも、
「A1(最重度)」
と公的な判定として示されれば、やはり思うところはあります。
心理士さんが「今の状態がずっと続くわけではありません」と慎重に説明してくれた意味も、結果を聞いてから分かりました。
ただ、A1という文字がAoそのものを表しているわけではありません。
療育手帳の判定は、その時点での発達や生活の状態などをもとに行われるものです。実際、療育手帳の判定では検査結果だけでなく、本人や家族から聞き取った生活状況などを含めて総合的に判断する自治体もあります。 (千葉県公式サイト)
だから私たちも、
「A1だから将来はこうなる」
とは考えていません。
昨日できなかったことが今日できた。
少し反応が増えた。
そんなAo自身の小さな変化を見ていくことの方が、私たちにとってはずっと大切です。
療育手帳を取るか迷ったら「何のために取るのか」を考えてみてほしい
療育手帳を取得することに、抵抗を感じる親御さんもいると思います。
我が家の場合は、
「Aoにつながる支援の手を、少しでも増やしたい」
という理由で取得を決めました。
手帳を持つことで障がいが重くなるわけでも、持たないことで障がいがなくなるわけでもありません。
療育手帳は、障害福祉サービスや自治体・民間事業者によるさまざまな支援につながるために活用されています。 (厚生労働省)
だから私たちは、Aoの可能性を決めるものではなく、必要なときに使える選択肢を増やすものとして考えています。
取得するかどうかの答えは、それぞれの家庭で違っていいと思います。
大切なのは「手帳を持つかどうか」そのものではなく、
目の前の子どもにとって、今どんな支援が必要なのか。
そこから考えてみてもいいのではないでしょうか。
このブログでは、療育手帳を取得するまでの流れや、実際に取得して分かったこと、利用できる支援についても、私たち自身の経験をもとに残しています。
これから療育手帳を申請する方にとって、今回の「検査室の中で実際に何をしたのか」という記録が、少しでも不安を減らす材料になれば嬉しいです。

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