「医療的ケア児を受け入れている保育園なら、安心して預けられる」
僕たちも、どこかでそう思っていました。
わが家の次男Aoは、在宅酸素などの医療的ケアが必要な子どもです。
保育園を探しても、医療的ケア児を受け入れられる園は限られていました。
そんな中、妻が実際に「医療的ケア児受入可能」とされている保育園へ見学に行きました。
そこで聞いたのは、
「歩けない子は0歳児クラスで過ごしている」
という説明。
さらに、医療的ケア児がほかの園児とは離れた部屋で過ごしている様子を見て、妻は「隔離病室みたいだった」と感じたそうです。
そして見学中には、「ほかにも受け入れ可能な園がありますよ」という趣旨の話もありました。
もちろん、園側には安全面や人員配置など、さまざまな事情があったのだと思います。
それでも今回の見学で気づいたのは、
「医療的ケアに対応できる」ことと、「わが子を安心して預けられる」ことは、必ずしも同じではない
ということでした。
医療的ケア児の保育園見学では、対応できるケアや看護師の配置だけでなく、
「普段はどこで過ごすのか」
「同年代の子どもたちと一緒に過ごせるのか」
「どんな一日を送るのか」
まで確認することが大切です。
この記事では、妻が実際に医療的ケア児受入園を見学したときの体験と、そこから僕たちが感じた保育園見学で確認しておきたいポイントをまとめます。
これから医療的ケア児の保活を始める方に、わが家の経験が一つの参考になればと思います。
医療的ケア児の保育園見学は普通の保活と何が違う?
一般的な保育園見学なら、園の雰囲気や保育方針、給食、行事、通いやすさなどを確認することが多いと思います。
しかし、医療的ケア児の保育園選びでは、それだけでは足りません。
まず確認しなければならないのが、「わが子に必要な医療的ケアに、その園が対応できるのか」ということです。
実際、医療的ケア児を受け入れている保育園でも、対応できる医療的ケアの内容や受入年齢、看護師の配置、受入人数などは自治体や園によって異なります。
そのため、医療的ケア児の場合は「空きがある保育園を見学して、気に入った園に申し込む」という一般的な保活とは、少し事情が違います。
医療的ケア児は「入園できる園」自体が限られることがある
医療的ケア児を受け入れるためには、医療的ケアを安全に行える体制が必要です。
たとえば東京都の医療的ケア児保育支援事業でも、受入体制を整えるため、看護師等や保育補助者などの配置に対する支援が行われています。
つまり、医療的ケア児の場合、
- 必要な医療的ケアに対応できるか
- 看護師などの配置体制はどうなっているか
- 何歳から受け入れているか
- 医療的ケア児の受入枠があるか
といった条件によって、そもそも選択肢となる保育園が限られることがあります。
「家から近いから」「雰囲気が良かったから」という理由だけでは、園を選べないこともあるのです。
自治体によっては入園前の保育園見学が手続きの一部になっている
医療的ケア児にとって、保育園見学は単なる園選びではありません。
自治体によっては、入園申込みの前に事前相談や施設見学を行う仕組みになっています。
たとえば府中市では、医療的ケア児の入所申込みにあたり事前相談と施設見学が必要とされています。
横浜市でも、施設の見学・面談時に主治医の意見書や指示書を提示する仕組みがあります。
それだけ、「その子に必要なケア」と「園で提供できる体制」が合っているかを事前に確認することが重要なのだと思います。
見学で知りたいのは「医療的ケアができるか」だけではない
そして、実際にわが家が保活をしてみて感じたのは、もう一つ大切なことでした。
「医療的ケアに対応できます」
それだけで、親が安心して預けられるとは限りません。
わが子が、
どの部屋で過ごすのか。
何歳の子どもたちと一緒に過ごすのか。
ほかの園児とどのくらい関わることができるのか。
医療的ケアを受けながらも、一人の子どもとしてどんな保育を受けるのか。
そこまで実際に見て、聞いてみなければ分からないことがあります。
そして妻が、実際に医療的ケア児を受け入れている保育園を見学したとき。
僕たちが想像していた「保育園での生活」とは、少し違う光景がありました。
妻が実際に「医ケア児受入可能」の保育園を見学した
そんな状況のなか、妻が医療的ケア児の受け入れが可能とされている保育園へ見学に行きました。
わが家の次男Aoは、在宅酸素療法(HOT)が必要な医療的ケア児。
医療的ケア児を受け入れられる園なら、どこでも申し込めるわけではありません。
当時、わが家が通える範囲で候補となっていたのは、わずか4園でした。
しかも、そのうち3園は僕と妻の勤務地とは反対方向。
入園できたとしても、園によっては送迎だけで片道1時間以上かかります。
だからこそ、今回見学する園には期待もありました。
「実際に医ケア児はどんなふうに過ごしているんだろう」
見学へ向かう前、僕たちが知りたかったのは、医療的ケアに対応できるかどうかだけではありませんでした。
もちろん、酸素など必要なケアを安全に行ってもらえることは大前提です。
でも、Aoが保育園に通うことになれば、そこで一日の長い時間を過ごします。
どんな部屋で過ごすのか。
先生や看護師さんは、どのように関わってくれるのか。
ほかの子どもたちとは、一緒に遊べるのか。
「医療的ケア児を受け入れられる園」ではなく、「Aoが毎日を過ごす保育園」として見たかった。
親としては、そこも大切でした。
「どんな環境なんだろうね」
「ちゃんと見てもらえるかな」
期待と不安を抱えながら、妻は見学へ向かいました。
見学から帰った妻の話を聞いて、僕は絶句した
そして見学を終えた妻から、園での様子を聞きました。
僕はその内容に、言葉を失いました。
もちろん、これは妻がその日の見学で見聞きした範囲の話です。
園側にも、安全面や人員配置、設備など、さまざまな事情があったのだと思います。
それでも、
「医療的ケア児を受け入れる」とは、こういうことなのだろうか。
そんな疑問が残りました。
特に僕たちが驚いたのが、実際に園で過ごしていた医療的ケア児の環境です。
妻から最初に聞いたのは、
「歩けない子は、0歳児クラスに入れられてた」
という話でした。
見学して驚いた① 歩けない子は0歳児クラスで過ごしていた
妻が見学した園には、すでに医療的ケアが必要な子どもが通っていました。
そこで妻が目にしたのは、僕たちが想像していた保育園生活とは少し違う光景でした。
その子は、自分で歩くことが難しい子どもでした。
そして妻が園から受けた説明では、歩くことができないため、0歳児クラスで過ごしているとのことでした。
この話を聞いたとき、僕は驚きました。
Aoも発達はゆっくりです。
今後、保育園へ入園できたとしても、その時点で歩けるようになっているとは限りません。
「じゃあ、Aoも0歳児クラスで過ごすことになるの?」
真っ先にそう思いました。
「歩けるかどうか」で過ごすクラスが決まるのだろうか
もちろん、歩ける子どもたちと同じ空間で安全に過ごすためには、さまざまな配慮が必要なのだと思います。
走り回る子どもたちの中で、まだ歩くことのできない子が過ごす。
転倒や接触などのリスクもあるでしょう。
医療的ケアも必要であれば、安全面を優先して環境を整える必要があることも理解できます。
それでも親として気になったのは、
「安全に過ごせるか」だけでクラスを考えていいのだろうか。
ということでした。
同じ年齢の子どもたちが遊ぶ姿を見る。
同年代の子どもの言葉を聞く。
一緒に歌ったり、遊んだり、時にはけんかをしたりする。
そうした日々の関わりも、保育園で過ごす大切な時間の一つだと思っています。
医療的ケアだけでなく「どんな保育を受けるのか」も知りたかった
僕たちが保育園に求めているのは、Aoの医療的ケアをしてもらうことだけではありません。
安全に過ごせることは、もちろん大前提です。
でも同時に、
Aoも一人の子どもとして、ほかの子どもたちと関わりながら過ごしてほしい。
そんな思いがあります。
発達がゆっくりだから。
歩くことができないから。
医療的ケアが必要だから。
それによって、どのようなクラス編成になるのか。
同年代の子どもたちと、どの程度一緒に過ごせるのか。
今回の見学を通して、「医療的ケアに対応できますか?」だけではなく、「わが子は園でどんな一日を過ごしますか?」まで確認する必要があると感じました。
そして、妻がもう一つ気になったのが、医療的ケア児が過ごしていた「場所」でした。
見学して驚いた② 医ケア児だけ別の部屋だった
妻がもう一つ気になったのが、医療的ケア児が過ごしていた場所です。
その園では、医療的ケアが必要な子どもが、ほかの園児とは離れた部屋で過ごしていました。
見学から帰ってきた妻は、その様子をこう表現しました。
「なんだか、隔離病室みたいだった」
もちろん、本当に「隔離する」目的で別室にしていたのかは分かりません。
医療的ケアを安全に行うため。
必要な機器を置くため。
看護師さんがケアしやすくするため。
落ち着いて休める場所を確保するため。
園側にも、別の部屋を用意する理由があったのだと思います。
それでも、僕たちには一つの疑問が残りました。
ほかの子どもたちとは、いつ一緒に過ごすのだろう
僕たちが気になったのは、医療的ケアを行う「場所」が別になっていること自体ではありません。
普段の保育まで、ずっと別なのだろうか。
ということでした。
医療的ケアが必要な時間だけ別室へ移動するのか。
体調に問題がなければ、同年代の子どもたちと一緒に遊べるのか。
給食や行事、外遊びなどには参加できるのか。
それとも、一日の多くを医療的ケア児用のスペースで過ごすのか。
同じ「医療的ケア児を受け入れている保育園」でも、ここが違えば子どもの園生活は大きく変わります。
「医療的ケアができる」と「一緒に保育できる」は同じではない
前の章で書いたクラス編成の話と同じです。
僕たちが知りたいのは、
「酸素に対応できます」
「看護師がいます」
ということだけではありません。
その環境の中で、Aoが一人の園児として、どんな毎日を送れるのか。
そこが知りたい。
医療的ケア児にとって、安全にケアを受けられる環境は欠かせません。
でも、保育園は医療的ケアを受けるためだけの場所ではないはずです。
友達と遊ぶ。
先生と話す。
歌を歌う。
季節の行事に参加する。
同じ場所で笑ったり、泣いたりする。
僕たちは、Aoにも可能な範囲でそんな経験をしてほしいと思っています。
だからこそ、医療的ケア児の保育園見学では、設備や看護師の配置だけを見るのではなく、
「医療的ケアをしていない時間、この子はどこで、誰と、どう過ごしますか?」
と確認することも大切なのだと感じました。
そして妻の見学では、環境面だけでなく、もう一つ気になる出来事がありました。
医療的ケア児の受入可能園として見学に来た妻に対して、園側から思いがけない言葉があったのです。
見学して驚いた③「ほかの受入園を見ては?」と言われた
そして妻が見学中、特に引っかかった言葉がありました。
園側から、
「ほかにも受け入れ可能な園がありますよ」
という趣旨の話をされたそうです。
もちろん、それだけなら単なる情報提供だったのかもしれません。
複数の園を見学して、家庭に合った園を検討してほしいという意味だった可能性もあります。
でも、その場で説明を受けていた妻には、
「できれば、ほかの園に行ってほしい」
と言われているように感じられたそうです。
「受入可能園」として紹介されたから見学に来たのに
そもそも妻がこの園を見学したのは、医療的ケア児を受け入れられる園として候補になっていたからです。
医療的ケア児の保活では、最初から選べる園が多いわけではありません。
当時、わが家が候補として考えられたのは4園。
しかも、そのうち3園は夫婦の勤務地とは反対方向にあり、送迎を考えると簡単に選べる状況ではありませんでした。
だからこそ、
「医療的ケア児を受け入れています」
という園の存在は、僕たちにとって大きな希望でした。
それなのに実際に見学へ行ってみると、妻は歓迎されているようには感じられなかった。
そのギャップは、かなりつらいものだったと思います。
制度上の「受入可能」と、実際に預けられる感覚は違った
この保活を通して何度も感じたのが、
「制度上は受け入れ可能」と「親が安心して預けられる」は別の話
だということです。
ホームページや自治体の資料に「医療的ケア児受入可能」と書かれていても、それだけでは分からないことがあります。
実際にどんな医療的ケアまで対応できるのか。
看護師はどの時間帯にいるのか。
医療的ケア児はどこで過ごすのか。
ほかの園児とどのように関わるのか。
そして何より、
園として、その子をどのように迎えようとしているのか。
これは資料を読んでいるだけでは分かりません。
今回の見学で妻が感じたことが、園側の本当の意図と同じだったかどうかは分かりません。
だから、この一度の経験だけで「この園は医療的ケア児を受け入れたくない」と決めつけるつもりもありません。
ただ、これから毎日のようにわが子を預ける場所だからこそ、
「ここなら安心してお願いできる」
と親が感じられるかどうかも、僕たちにとっては大切な判断材料でした。
医療的ケア児の保育園見学では、設備や制度だけでなく、実際に園へ足を運んだからこそ分かることがあります。
では、具体的に何を確認しておけばいいのか。
今回の経験を踏まえて、僕たちが「これは聞いておいたほうがいい」と感じたポイントを整理します。
医療的ケア児の保育園見学で確認したい7つのポイント
今回の見学を通して感じたのは、医療的ケア児の保育園見学では、一般的な園見学とは少し違った視点が必要だということです。
特に確認しておきたいのは、次の7つです。
1.わが子に必要な医療的ケアに対応できるか
まず大前提となるのが、必要な医療的ケアへの対応です。
「医療的ケア児受入可能」とされていても、すべての医療的ケアに対応できるとは限りません。
在宅酸素、吸引、経管栄養など、わが子に必要なケアを具体的に伝えて確認することが大切です。
2.看護師はいつ、何人配置されているか
「看護師配置あり」だけで判断せず、実際の体制も確認しておきたいところです。
常時いるのか、時間帯が決まっているのか。
看護師が休んだ場合はどうなるのか。
医療的ケア児が複数いる場合、どのような体制になるのか。
毎日安心して預けるためには重要な部分です。
3.医療的ケア児は普段どこで過ごすのか
今回、僕たちが特に気になったポイントです。
医療的ケアを行うための専用スペースがあるのか。
ケアのときだけ別室へ移動するのか。
それとも普段から別の部屋で過ごすのか。
「医療的ケアをしていない時間は、どこで過ごしますか?」
と聞いてみると、実際の園生活をイメージしやすくなると思います。
4.どのクラスに入り、同年代の子とどう関わるのか
年齢によってクラスが決まるのか、発達状況や安全面なども考慮されるのか。
そして、ほかの園児とどの程度一緒に活動できるのか。
今回の見学では「歩けない子が0歳児クラスで過ごしている」と説明を受けたことで、僕たち自身が初めて意識したポイントでした。
5.行事や外遊びなどに参加できるか
保育園生活は、室内で過ごす時間だけではありません。
散歩や外遊び、運動会、発表会、季節の行事などに、医療的ケア児がどのように参加しているのかも聞いておきたいところです。
すべて同じように参加できる必要はないと思います。
大切なのは、その子の状態に合わせて「どうすれば参加できるか」を考えてもらえる環境なのかということです。
6.体調不良や入院時はどうなるのか
医療的ケア児の場合、体調によって欠席したり、入院が必要になったりすることもあります。
長期間休んだ場合の扱いはどうなるのか。
復帰するときに必要な手続きはあるのか。
主治医の診断書や指示書が再度必要になるのか。
自治体や園によって扱いが異なる可能性があるため、事前に確認しておくと安心です。
7.園側と継続的に相談できる関係をつくれそうか
最後は数字や制度では確認しにくい部分です。
医療的ケア児は、その日の体調や成長によって必要な支援が変わることがあります。
だからこそ、
「困ったときに相談できそうか」
「一緒に方法を考えてもらえそうか」
という感覚も、僕たちは大切だと感じました。
保育園見学は、親が園を一方的に評価するためだけの場ではありません。
わが子のことを伝え、園側の事情も聞きながら、「ここで一緒にやっていけそうか」を確認する時間なのだと思います。
そして、わが家には園の受入体制とは別に、もう一つ大きな問題がありました。
それが、当時自治体から説明されていた「在宅で安定した生活を一定期間送ること」という入園条件でした。
「入院したらリセット?」わが家が直面した入園条件
保育園の受入環境だけでも悩むことが多かったわが家ですが、さらに頭を抱えたのが、当時自治体から説明されていた入園条件でした。
僕たちが聞いていたのは、在宅酸素などの医療的ケアがある場合、在宅で安定した生活を一定期間送れていることを確認する必要があるという内容です。
わが家の場合、その期間として説明されていたのが「1年間」でした。
そして、ある日。
訪問看護師さんとの会話の中で、さらに気になる話を聞きました。
「途中で入院したら、そこからまたカウントし直しになる可能性がある」
僕たちは耳を疑いました。
「入院したら、また1年?」
医療的ケア児にとって、入院は決して珍しい出来事とは言い切れません。
体調を崩して入院することもあれば、検査や治療のために入院することもあります。
それなのに、もし一度入院しただけで「安定した在宅生活」の期間がゼロから数え直しになるとしたら。
「じゃあ、いつになったら保育園に入れるんだろう」
そんな不安が一気に大きくなりました。
ただし、ここは大切なので明確にしておきます。
「医療的ケア児は入院したら、保育園入園までの期間が1年間リセットされる」という全国共通のルールがあるわけではありません。
ここで書いているのは、あくまで当時、わが家が自治体から受けていた説明と、訪問看護師さんとの会話の中で聞いた内容です。
自治体によって医療的ケア児の受入条件や審査方法は異なるため、実際の条件はお住まいの自治体へ確認してください。
医療的ケア児だからこそ「安定」を求められる。でも……
保育園側が安全を慎重に考える理由は、僕にも分かります。
園は病院ではありません。
限られた人員の中で、多くの子どもたちを預かっています。
医療的ケアが必要な子どもを受け入れる以上、「集団生活を安全に送れる状態なのか」を慎重に確認する必要があるのでしょう。
それでも親としては、複雑です。
体調を崩したから入院する。
必要な治療を受ける。
元気になって家へ帰る。
それは、医療的ケア児と暮らしていれば起こり得ることです。
その一方で、保育園へ入れなければ親は復職できない。
復職できなければ、仕事を続けられなくなることもある。
子どもの安全を守るための条件と、家族が生活を続けるための現実。
その間で、僕たちはどうすればいいのだろう。
保活を進めるほど、その難しさを感じるようになりました。
そして、もう一つ突きつけられたのが「どの園に入れるか」という問題です。
一般的な保活なら、通勤経路や自宅からの距離も考えながら希望園を選べます。
でも、わが家の場合はそう簡単ではありませんでした。
医療的ケア児を受け入れられる園そのものが、限られていたからです。
保育園を「選ぶ」のではなく、入れる園を探すしかなかった
今回、妻が実際に保育園を見学して、改めて感じたことがあります。
僕たちの保活は、
「どの保育園がAoに合っているだろう?」
と選べる状況ではありませんでした。
まず、医療的ケア児を受け入れられること。
次に、Aoに必要な医療的ケアへ対応できること。
さらに、実際の受入枠があること。
そうやって条件を重ねていくと、選択肢はどんどん少なくなっていきます。
候補は4園。でも「4園から自由に選べる」わけではない
当時、わが家が候補として考えられたのは4園でした。
数字だけを見れば、
「4つもあるなら、その中から選べるのでは?」
と思うかもしれません。
でも、そのうち3園は僕と妻の勤務地とは反対方向。
園によっては、送迎だけで片道1時間以上かかります。
毎朝、医療的ケアが必要なAoを保育園へ送り、そこから反対方向の職場へ向かう。
仕事が終われば、また園まで迎えに行く。
それを毎日続けられるのか。
さらに今回の見学では、通園距離だけでは分からなかった、クラス編成や医療的ケア児が過ごす環境についても考えることになりました。
「入れる園」と「わが子を預けたいと思える園」が、必ずしも同じではない。
医療的ケア児の保活では、そんな現実もあるのだと知りました。
保育園の問題は、そのまま親の仕事の問題になった
そして、わが家には時間的な猶予もありませんでした。
保育園が決まらなければ、妻は復職できません。
妻の育休には期限があり、それまでにAoの預け先が決まらなければ、仕事そのものを続けられなくなる可能性がありました。

だから、
「もう少しAoに合う園が見つかるまで待とう」
という選択も簡単にはできません。
子どもに合った環境を探したい。
でも、入園時期が遅れれば親が仕事を失うかもしれない。
医療的ケア児の保活は、保育園だけを見て考えられる問題ではありませんでした。
子どもの安全。
子どもが過ごす環境。
送迎。
親の仕事。
そして、家族の生活。
すべてがつながっています。
わが家の場合、この問題はやがて「妻が仕事を失うかもしれない」というところまで進みました。
※ここに「医療的ケア児は保育園に入れない?妻が失職危機になったわが家の保活体験」への内部リンク
今回、妻が実際に受入園へ足を運んだからこそ分かったことがあります。
ホームページに書かれた「医療的ケア児受入可能」という一文だけでは、わが子がそこでどんな毎日を送るのかまでは分からないということです。
だから僕は、医療的ケア児の保活では、可能であれば実際に園を見て、先生たちの話を聞き、
「この子がここで一日を過ごす姿を想像できるか」
そこまで確認することが大切なのだと思っています。
まとめ|医療的ケア児の保育園見学で大切なのは「どう過ごすか」を見ること
妻が実際に医療的ケア児を受け入れている保育園へ見学に行ったことで、資料を見ているだけでは分からなかったことがたくさんありました。
医療的ケア児の保活では、どうしても、
「看護師はいるか」
「必要な医療的ケアに対応できるか」
「受入枠はあるか」
という部分に目が向きます。
もちろん、どれも欠かせない条件です。
でも、その先には一人の子どもとしての保育園生活があります。
どの部屋で過ごすのか。
どのクラスに入るのか。
同年代の子どもたちとは、どのように関わるのか。
行事や外遊びには参加できるのか。
困ったとき、園と一緒に方法を考えていけるのか。
「医療的ケア児を受け入れられます」という情報だけでは、そこまでは分かりません。
だからこそ、実際に園へ足を運んで、自分たちの目で見て、気になることを聞く意味があるのだと思います。
一方で、医療的ケア児の家庭には「納得できる園が見つかるまでゆっくり探す」という余裕がないこともあります。
わが家も、保育園が決まらなければ妻が復職できず、仕事を失う可能性がありました。
子どもに合った環境を選びたい。
でも、入れる園は限られている。
そして時間が過ぎれば、親の仕事や家族の生活にも影響する。
これが、僕たちが実際に経験している医療的ケア児の保活です。
Aoの保育園は、まだ正式に決まったわけではありません。
それでも、これから実際に入園するまで、そして入園したあとも、
「医療的ケアが必要な子どもが、保育園でどんなふうに生活していくのか」
わが家の経験を引き続き記録していこうと思います。

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