「生後8ヶ月なのに、まだできないことばかり……」
早産児を育てていると、同じ月齢の赤ちゃんと比べて不安になることがあります。
でも、Aoは在胎26週・432gで生まれました。
本来なら、そこから約3ヶ月はまだお腹の中で過ごしていたはずです。
そこで早産児の成長を見るときに使われるのが、「修正月齢」という考え方。
例えば、予定日より3ヶ月早く生まれた赤ちゃんなら、生後8ヶ月でも修正月齢では約5ヶ月になります。
Aoが生まれるまで、私も修正月齢について深く考えたことはありませんでした。
でも実際に早産児の親になってみると、この「約3ヶ月の差」を知っているだけで、我が子の成長の見え方が少し変わったんです。
この記事では、早産児の修正月齢とは何か、計算方法やいつまで使うのか、発達・離乳食・予防接種ではどう考えるのかを、在胎26週・432gで生まれたAoの成長記録とともに紹介します。
修正月齢は、我が子が「どれだけ遅れているか」を測るための数字ではありません。
私たち家族にとっては、Aoの成長をAoのペースで見守るための、一つのものさしになりました。

早産児の「修正月齢」とは?暦月齢との違い
早産で生まれた赤ちゃんについて調べていると、よく目にするのが「修正月齢」という言葉です。
Aoが生まれるまで、私もこの言葉を意識することはほとんどありませんでした。
普通は、生まれた日から「生後1ヶ月」「生後2ヶ月」と数えていきますよね。
しかし、予定日より早く生まれた赤ちゃんの場合、発達や成長を見るときに、実際に生まれた日から数える「暦月齢」だけでなく、出産予定日を基準にした「修正月齢」を使うことがあります。
厚生労働省の資料でも、早産児の発達や成長については、実際に生まれた日ではなく出産予定日を基準に考える「修正月齢」という考え方が示されています。
生後8ヶ月なのに「修正5ヶ月」になる理由
例えば、予定日より3ヶ月早く生まれた赤ちゃんが、生まれてから8ヶ月経ったとします。
実際に生まれた日から数えれば、
暦月齢:生後8ヶ月
です。
しかし、予定日を基準に考えると、
修正月齢:5ヶ月
となります。
厚生労働省の資料でも、予定日より2ヶ月早く生まれた赤ちゃんの場合、「生後7ヶ月=修正月齢5ヶ月」とする例が示されています。
Aoは在胎26週という、とても早い時期に生まれました。
そのため、暦月齢と修正月齢には大きな差があります。
この「差」を知らずに一般的な発達の目安と比べてしまうと、
「もう生後○ヶ月なのに、まだできない」
「同じ月齢の子はこんなに動いているのに……」
と、不安になってしまうことがあります。
でも、早産で生まれた赤ちゃんは、本来であればまだお腹の中で成長していたはずの期間があります。
その期間を考慮して発達を見るための一つのものさしが、修正月齢です。
実際、低出生体重児の発達についてまとめた厚生労働省の資料でも、乳児期から幼児期前半にかけては、発達を修正月齢で評価するとされています。
修正月齢の計算方法は意外とシンプル
修正月齢という言葉だけを聞くと難しく感じますが、考え方はそれほど複雑ではありません。
基本的には、
現在の月齢 − 予定日より早く生まれた期間 = 修正月齢
と考えると分かりやすいです。
例えば予定日より、
- 1ヶ月早く出生 → 生後6ヶ月なら修正5ヶ月
- 2ヶ月早く出生 → 生後6ヶ月なら修正4ヶ月
- 3ヶ月早く出生 → 生後6ヶ月なら修正3ヶ月
というイメージです。
より正確に確認したい場合は、出産予定日を基準に考えます。
早産児を育てていると、病院でも、
「暦月齢では○ヶ月ですね」
「修正では○ヶ月ですね」
と、2つの月齢を使い分ける場面があります。
最初は少しややこしいのですが、私たちにとって修正月齢は、単なる数字以上の意味を持つようになりました。
なぜなら、Aoの成長を見るときに「同じ日に生まれた子と比べなくてもいいんだ」と思える、一つの基準になったからです。
特に在胎週数が短い赤ちゃんほど、暦月齢と修正月齢の差は大きくなります。
Aoのような超早産児を、暦月齢だけで一般的な赤ちゃんの発達と比べれば、「遅れていること」ばかりが目についてしまいます。
では、なぜ早産児の発達を見るときに、わざわざ修正月齢を使うのでしょうか。
次は、修正月齢で発達を見る意味について、Aoを育てて実感したことも交えながら書いていきます。
なぜ早産児は修正月齢で発達を見るの?
早産児の発達を見るときに修正月齢を使うのは、予定日より早く生まれた期間を考慮して、その子の発達をより適切に見ていくためです。
Aoの場合、この考え方は特に重要でした。
在胎26週で生まれているため、予定日近くに生まれた赤ちゃんとは、生まれた時点で約3ヶ月もの差があります。
それなのに、単純に「生後○ヶ月」という暦月齢だけで比べてしまったらどうでしょう。
できないことばかりが目についてしまいます。
暦月齢だけで比べると「発達が遅い」と感じやすい
例えば、予定日より3ヶ月早く生まれた赤ちゃんが生後6ヶ月になったとします。
暦月齢だけを見れば「6ヶ月の赤ちゃん」です。
しかし、修正月齢ではまだ3ヶ月程度。
この赤ちゃんに対して、
「生後6ヶ月なのに、6ヶ月の発達の目安に届いていない」
と考えるのは、少し違いますよね。
本来ならお腹の中で過ごしていたはずの約3ヶ月間も、赤ちゃんは外の世界で一生懸命に生きてきたわけです。
だから早産児の発達を見るときには、予定日から数え直した修正月齢が一つの目安になります。
Aoを育てている私たちにとっても、この考え方はとても大切でした。
SNSや育児サイトを見れば、
「生後○ヶ月で寝返りしました」
「○ヶ月でお座りできました」
「もうハイハイしています」
といった情報はいくらでも目に入ってきます。
早産児を育てていると、こうした「生後○ヶ月でできること」をそのまま我が子に当てはめてしまいがちです。
でもAoの場合、暦月齢と修正月齢には大きな差があります。
そもそも同じスタートラインではありません。
修正月齢を知ることで、
「生後○ヶ月なのにできない」ではなく、「修正○ヶ月なら、まだこれからなんだ」
と考えられるようになりました。
修正月齢は早産児の成長を見るための「ものさし」
もちろん、修正月齢で見ればすべての不安がなくなるわけではありません。
早産で生まれた赤ちゃんの発達には個人差があります。
Aoにも早産だけでなく、ダウン症やPVLなど、発達に影響するさまざまな要因があります。
そのため、「修正○ヶ月だから、この発達段階でなければいけない」という新しい基準を作ってしまう必要もないと思っています。
修正月齢は、我が子を評価するための点数ではありません。
私たちにとっては、Aoの成長を見るときの一つの「ものさし」です。
早産児を育てていると、どうしても「一般的な発達」に目が向きます。
でも、本当に見たいのは、
「同じ月齢の子と比べて何ができないか」
ではなく、
「この子が昨日より何をできるようになったか」
なのだと思います。
これは、特別支援教育の現場で子どもたちと接していても感じることです。
同じ年齢だからといって、全員が同じ速度で成長するわけではありません。
できることも、苦手なことも違います。
まして、予定日より何ヶ月も早く生まれた赤ちゃんなら、なおさらです。
修正月齢という考え方を知っているだけでも、「一般的な○ヶ月児」と比べ続ける苦しさから、少し距離を置けることがあります。
では、この修正月齢はいつまで使うのでしょうか。
「1歳になったら終わり?」
「2歳?それとも3歳?」
次は、早産児の修正月齢をいつまで使うのかについて見ていきます。
修正月齢はいつまで使う?2歳・3歳が一つの目安
修正月齢について分かってくると、次に気になるのが、
「修正月齢って、いつまで使うの?」
という疑問ではないでしょうか。
早産児だからといって、ずっと修正月齢で成長を見るわけではありません。
一般的には、乳幼児期の発達や成長を確認するときに修正月齢を用い、成長とともに暦月齢で見ていくようになります。
ただし、「全員が○歳になった瞬間に修正月齢をやめる」という全国一律のルールがあるわけではありません。
修正月齢を使う期間は一律ではない
早産児の修正月齢については、2歳頃までを一つの目安として説明されることがあります。
一方で、在胎週数が短い子どもなどでは、2~3歳頃まで修正月齢を考慮して発達を見ることもあります。
つまり、
「2歳になったから今日から修正月齢は使わない」
「3歳まで必ず修正しなければならない」
という単純なものではありません。
出生した在胎週数やその後の発達、医療機関でのフォローなどによっても考え方は変わります。
特に早産児の場合、「何歳で追いつくか」だけに注目してしまうと、かえって親の不安が大きくなることもあります。
大切なのは、修正月齢をいつまで使うかという数字だけではなく、その子自身の発達を継続して見ていくことだと思います。
Aoも定期的に病院で発達や身体の状態を診てもらっています。
私たちの場合は、自己判断で「もう修正月齢は卒業」と決めるのではなく、医師やリハビリの先生たちと相談しながらAoの成長を見ていくつもりです。
Aoの場合は在胎26週で生まれた超早産児
Aoは在胎26週・432gで生まれました。
予定日より約3ヶ月早い出産です。
そのため、暦月齢と修正月齢の差も大きくなります。
例えば、Aoが暦月齢で生後8ヶ月だった頃。
「生まれてから8ヶ月」と考えれば、世の中にある「生後8ヶ月の発達」が気になります。
でも、修正月齢で考えればまだ5ヶ月ほどです。
さらにAoの場合は、早産だけを考えればいいわけではありません。
ダウン症があり、PVLによる運動発達への影響などもあります。
だから私たちは、
「修正月齢○ヶ月なら、これくらいできていなければいけない」
という見方もしないようにしています。
修正月齢は、Aoが一般的な発達からどれだけ遅れているのかを測るための数字ではありません。
「この子は本来、いつ頃生まれる予定だったのか」
そのスタート地点を考慮しながら成長を見るための一つの基準です。
早産児を育てていると、どうしても数字と向き合う機会が多くなります。
在胎週数。
出生体重。
修正月齢。
身長。
体重。
発達の指標。
Aoが生まれてから、私たちも本当にたくさんの数字を見てきました。
中でも、Aoが生まれる前からずっと気にしていた数字があります。
それが、成長の「SD(標準偏差)」です。
Aoは胎児期から非常に小さく、成長の目安から大きく外れた状態でした。
次は、早産児の成長を見るときに出てくる成長曲線やSDの意味と、Aoがどのように成長してきたのかについて書いていきます。
早産児の成長曲線と「SD」の見方|Aoは胎児期から-4.0SD以下だった
早産児の成長を見ていくとき、「修正月齢」と同じくらい何度も向き合うことになるのが、身長や体重などの成長の数字です。
Aoの場合は、生まれたときから小さかったというより、お腹の中にいた頃から非常に小さい赤ちゃんでした。
妊娠中から医師に成長を確認してもらうたびに、私たちは「SD」という数字を気にしていました。
SD(標準偏差)とは?成長を見るときの一つの目安
SDとは「Standard Deviation(標準偏差)」の略です。
少し難しい言葉ですが、子どもの成長を見る場面では、身長などが同じ年齢・性別の子どもの標準からどの程度離れているかを確認するための指標として使われます。
「0SD」に近ければ平均付近。
「-1SD」「-2SD」と数字が小さくなるほど、標準と比べて小さい側に位置していることを意味します。
ただし、ここで気をつけたいのが体重の見方です。
子どもの体重は単純に「○SDだからこの程度」と評価できるものではなく、乳幼児身体発育曲線などを使いながら、これまでの増え方も含めて確認していくことが大切です。
そのため、身長・体重ともに一つの数字だけで「正常」「異常」と判断するのではなく、その子がどのような経過で成長しているのかを見る必要があります。
「-4.0SD以下」という数字を見続けた妊娠中
Aoは胎児期から、とても小さな赤ちゃんでした。
妊娠中の推定体重は、標準から大きく離れ、-4.0SD以下と示されるほど小さい状態が続いていました。
そして、在胎26週で生まれたAoの出生体重は432g。
500mlのペットボトルよりも軽い体重です。
もちろん「432g」という数字そのものが、Aoのすべてを表しているわけではありません。
それでも、当時の私たちにとって体重の数字は、とても大きな意味を持っていました。
数十グラム増えた。
少し減った。
また増えた。
NICUにいる間は、そんなわずかな変化にも一喜一憂しました。
一般的な育児では「何kgになった」という単位で成長を喜ぶことが多いと思います。
でもAoが生まれた頃の私たちにとっては、数十gの増加でも立派な成長でした。
成長は一つの数字ではなく「経過」で見る
早産児や低出生体重児を育てていると、どうしても成長曲線が気になります。
「標準の範囲に入った」
「まだ曲線より下にいる」
「同じ月齢の子より小さい」
数字で表示されるので、つい比較したくなってしまいます。
私たちもそうでした。
でも、Aoを育ててきて感じるのは、成長曲線のどこにいるかだけでなく、Ao自身がどんな軌道で成長しているかを見ることも大切だということです。
ずっと小さかった子が、その子なりのペースで少しずつ大きくなっている。
昨日までできなかったことが、ある日少しだけできるようになる。
そうした変化は、「平均との差」だけを見ていては気づきにくいものです。
Aoの場合、予定日を迎える頃になっても、体重はまだ2,000gに届いていませんでした。
出生時432gだったことを考えれば何倍にも成長しています。
それでも、一般的な新生児の出生体重と比べれば、まだとても小さい。
「ものすごく大きくなった」と「まだとても小さい」が同時に存在する。
早産児の成長を見ていると、そんな不思議な感覚になることがあります。
そしてAoは、そこから約7ヶ月にわたるNICUでの生活を経て、ようやく自宅へ帰ってきました。
次は、在胎26週・432gで生まれたAoが、予定日を迎え、NICUを退院し、その後どのように成長していったのかを振り返ります。
在胎26週・432gで生まれたAoの成長|予定日でも2000g未満だった
Aoは在胎26週・432gで生まれました。
出生体重1,000g未満の赤ちゃんは「超低出生体重児」と呼ばれますが、Aoはその半分にも満たない体重でした。
生まれた瞬間から、私たちにとって「体重が増える」ということは、当たり前ではありませんでした。
NICUにいる間も、毎日のように気になったのはAoの体重です。
数十g増えただけでも嬉しい。
逆に減っていれば心配になる。
そんな日々を繰り返しながら、Aoは少しずつ大きくなっていきました。
修正0ヶ月になっても体重は2,000gに届かなかった
早産児の場合、出産予定日を迎えた日が修正0ヶ月のスタートになります。
Aoにとっても、予定日は一つの大きな節目でした。
在胎26週で生まれたAoが、本来ならこの日までお腹の中で過ごしていたことになります。
でも、予定日を迎えた頃になっても、Aoの体重はまだ2,000gに届いていませんでした。
一般的には、予定日前後に生まれる赤ちゃんの多くは、もっと大きな体で生まれてきます。
だから「予定日を迎えたのに2,000gもない」という数字だけを見れば、やはりとても小さい。
一方で、私たちからすれば少し違う見え方もありました。
432gだったAoが、ここまで大きくなった。
それも事実だからです。
予定日の時点で周囲の赤ちゃんと比べれば小さい。
でも出生時のAoと比べれば、驚くほど大きくなっている。
早産児の成長を見ていると、「一般的な赤ちゃんと比べた数字」と「その子自身が積み重ねてきた成長」の両方が存在することを実感します。
約7ヶ月のNICU生活を経て、ようやく自宅へ
Aoは生まれてから、約7ヶ月をNICUなどの病院で過ごしました。
普通なら、生まれた赤ちゃんを抱いて数日後には家へ帰る。
そんな出産後の生活を、私たちは経験していません。
病院へ会いに行って、帰る。
また翌日、会いに行く。
その繰り返しでした。
予定日を迎えても退院できるわけではなく、Aoにはまだ病院での治療や管理が必要でした。
だから、私たちにとって「退院」は本当に大きな出来事でした。
ようやくAoと一緒に家へ帰れる。
もちろん、退院したからすべての心配がなくなるわけではありません。
むしろ自宅での生活が始まれば、今度は親である私たちがAoの生活を支えていくことになります。
それでも、病院ではなく家族みんなで同じ家に帰れることは、それまでとはまったく違う一歩でした。
退院してから体重がぐっと増え始めた
そして、退院後のAoには嬉しい変化がありました。
体重の増え方が、それまでより良くなってきたのです。
もちろん成長には波がありますし、単純に「家に帰ったから大きくなった」と言い切れるものではありません。
それでも、毎日Aoと一緒に生活しながら体重が少しずつ増えていくのを見るのは嬉しいものでした。
胎児期には「-4.0SD以下」という数字を見ていた。
出生時は432g。
予定日になっても2,000g未満。
そんなAoが、少しずつ少しずつ大きくなっている。
一般的な成長曲線だけを見れば、まだ小さいのかもしれません。
発達についても、暦月齢だけを見れば「できないこと」はたくさんあります。
でも私たちにとって大切なのは、AoがAoなりにどれだけ成長してきたかです。
432gだった頃の写真と今のAoを見比べると、それだけでも十分すぎるほど分かります。
数字だけを追っていると「まだ足りない」と感じてしまうことがあります。
でも、ときどきスタート地点まで戻ってみると、
「こんなに大きくなったんだな」
と思えるんですよね。
修正月齢も成長曲線も、Aoの成長を見るための大切な目安です。
ただ、それらは早産児の生活すべてを修正月齢で考える、という意味ではありません。
実は、早産児の育児では「修正月齢を基準に考えるもの」と「暦月齢を基準に考えるもの」があります。
特に迷いやすいのが、離乳食と予防接種です。
次は、早産児の離乳食はいつから始めるのか、予防接種は修正月齢と暦月齢のどちらで考えるのかについて、我が家の経験も交えながら整理します。
修正月齢は離乳食・予防接種でも使う?
早産児を育てていると、修正月齢を意識する場面がたくさんあります。
その中でも、親として迷いやすいのが「離乳食」と「予防接種」ではないでしょうか。
「発達は修正月齢で見るなら、離乳食も修正月齢?」
「予防接種も予定日から数え直すの?」
修正月齢という考え方を知ったからこそ、逆に分かりにくくなる部分でもあります。
ここで覚えておきたいのは、離乳食と予防接種では、修正月齢の考え方が同じではないということです。
早産児の離乳食は修正月齢と発達を参考にする
一般的に離乳食は、生後5~6ヶ月頃から始めることが多いですよね。
しかし、予定日より何ヶ月も早く生まれた赤ちゃんの場合、暦月齢だけを見て開始すると、まだ食べるための発達が十分ではないことがあります。
そのため早産児の離乳食では、修正月齢を一つの目安にしながら、実際の発達や体調を確認して開始時期を考えることが大切です。
厚生労働省の低出生体重児に関する資料でも、離乳食は修正月齢を考慮し、子どもの発達状況に合わせて進める考え方が示されています。
ただし、
「修正5ヶ月になったから、今日から離乳食開始!」
と月齢だけで決めればいいわけではありません。
首のすわりや姿勢、口の動き、食べ物への反応など、その子自身の発達を見る必要があります。
特に早産児には、それぞれ異なる医療的な背景があります。
Aoの場合も、単純に修正月齢だけで離乳食を考えることはできませんでした。
経鼻経管栄養を続けていて、嚥下や呼吸などについても考える必要があるため、一般的な育児サイトに書かれている「生後5~6ヶ月になったら離乳食」という情報をそのまま当てはめられる状況ではありません。
だからこそ、早産児や医療的な配慮が必要な子どもの離乳食については、主治医やリハビリ、栄養士などと相談しながら、その子に合ったタイミングで進めることが大切だと感じています。
予防接種は「修正月齢」ではなく暦月齢が基本
一方、予防接種は考え方が違います。
早産児だからといって、予定日まで待ってから予防接種の月齢を数え始めるわけではありません。
原則として、予防接種は実際に生まれた日から数えた暦月齢を基準に進めます。
例えば、生後2ヶ月から接種できるワクチンであれば、
「予定日から2ヶ月後」
ではなく、
「実際に生まれてから2ヶ月後」
が基本になります。
予定日より3ヶ月早く生まれた赤ちゃんの場合、修正月齢ではまだ「-1ヶ月」に相当する時期でも、暦月齢では生後2ヶ月です。
ここは、初めて知ったときに少し不思議に感じるかもしれません。
発達を見るときは修正月齢。
離乳食も修正月齢や発達を考慮する。
でも予防接種は暦月齢。
早産児の育児では、このように「何について考えているか」によって使う月齢が変わります。
もちろん、実際の接種については赤ちゃんの全身状態や治療状況などによって個別の判断が必要になることがあります。
特にNICUに入院している赤ちゃんや基礎疾患のある赤ちゃんについては、主治医と相談しながら予防接種のスケジュールを確認してください。
私たちもAoについては、「一般的にはこうだから」と自己判断するのではなく、その都度医療者と相談しながら進めています。
早産児を育てていると、どうしても、
「一般的には生後○ヶ月から」
という言葉に敏感になります。
でも、修正月齢という考え方を知ってから、私はその「○ヶ月」という数字を少し違った目で見られるようになりました。
Aoが生まれてから、何度も「同じ月齢の子との差」を意識してきたからです。
そして修正月齢は、そんな私たちにとって、単なる医学的な計算方法ではありませんでした。
次は最後に、修正月齢を知ったことで、私自身がAoの成長をどう見られるようになったのかについて書きたいと思います。
修正月齢を知って「他の子と比べる」ことが少し減った
早産児を育てていると、どうしても同じ月齢の子どもと比べてしまうことがあります。
「もう寝返りしている」
「お座りができるようになった」
「離乳食をこんなに食べている」
SNSを開けば、同じ頃に生まれた赤ちゃんの成長はいくらでも目に入ってきます。
Aoが在胎26週・432gで生まれたことも、他の子と同じように成長できるわけではないことも、頭では分かっています。
それでも親なので、気になってしまうんですよね。
そんなとき、私にとって修正月齢はAoの成長を見る視点を少し変えてくれる考え方になりました。
「生後○ヶ月なのにできない」から少し離れられた
暦月齢だけで考えれば、
「もう生後8ヶ月なのに」
と思ってしまうことがあります。
育児サイトで「生後8ヶ月の赤ちゃんにできること」を見れば、Aoにはできないことがたくさんあります。
でも、そこで一度立ち止まって考えます。
「Aoは修正月齢なら、まだ5ヶ月なんだ」
そう考えるだけで、見え方が少し変わりました。
そもそもAoは、本来ならお腹の中で過ごしていたはずの約3ヶ月をNICUで生きています。
432gという小さな体で生まれ、たくさんの医療機器に囲まれながら、その3ヶ月を必死に生き抜いてきました。
そう考えると、
「生後8ヶ月なのに、これができない」
ではなく、
「修正5ヶ月まで、ここまで来たんだ」
と思えることがあります。
もちろん、修正月齢で考えればすべて説明できるわけではありません。
Aoにはダウン症があり、PVLもあります。
発達については、早産による約3ヶ月の差だけでは説明できない部分もあります。
だから、修正月齢を使って一般的な発達と比べ直し、
「修正月齢でも遅れている」
と落ち込むのでは意味がありません。
私にとって修正月齢は、新しい比較の基準ではなく、比較しすぎないための考え方になっています。
比べるなら「昨日のAo」と比べたい
私は特別支援の現場で、さまざまな子どもたちと関わってきました。
教育の現場では、
「その子自身の成長を見ることが大切」
と何度も考えてきました。
でも、自分が親になると難しいですね。
我が子のことになると、どうしても周りが気になります。
同じ月齢の子。
同じダウン症の子。
同じくらいの在胎週数で生まれた子。
「あの子はもうできている」
という情報を見ると、気持ちが揺れることもあります。
そんなときは、Aoが生まれた頃の写真を見ることがあります。
432gだった体。
保育器の中にいたAo。
予定日になっても2,000gに届かなかったAo。
そこから考えれば、今のAoは驚くほど大きくなりました。
できることだって、少しずつ増えています。
だから最近は、
他の子と比べるより、昨日のAoと比べよう。
そう思うようにしています。
昨日より少し首を動かせた。
昨日より長くこちらを見ていた。
昨日とは違う表情を見せてくれた。
一般的な発達表には載らないような小さな変化でも、私たちにとっては立派な成長です。
修正月齢も、成長曲線も、発達検査も、子どもの成長を知るために大切な指標です。
でも、その数字が子どものすべてではありません。
数字は「この子がどれだけ遅れているか」を探すためではなく、「この子がどう育っているか」を知るために使いたい。
在胎26週・432gから始まったAoの成長を見ていると、私はそう思います。
これから修正月齢を使わなくなる時期が来ても、きっとこの考え方は変わりません。
AoにはAoのペースがあります。
その小さな変化を見逃さず、これからも一つずつ成長を残していきたいと思っています。
まとめ|修正月齢は早産児の成長をその子のペースで見るためのものさし
今回は、早産児の修正月齢とは何か、計算方法やいつまで使うのかについて、在胎26週・432gで生まれたAoの成長とともに紹介しました。
修正月齢は、予定日より早く生まれた期間を考慮して、早産児の発達や成長を見るための一つの目安です。
例えば予定日より3ヶ月早く生まれた場合、生後8ヶ月でも修正月齢では約5ヶ月。
この考え方を知っているだけでも、
「もう生後8ヶ月なのに……」
ではなく、
「修正月齢で考えれば、まだ5ヶ月なんだ」
と、我が子の成長を見る視点を少し変えられることがあります。
ただし、修正月齢ですべてを考えるわけではありません。
発達は修正月齢を考慮して見ていく一方、予防接種は原則として実際に生まれた日から数えた暦月齢を基準にします。
離乳食についても、修正月齢だけで開始時期を決めるのではなく、その子の発達や身体の状態を見ながら進めることが大切です。
そして、修正月齢をいつまで使うのかも一律ではありません。
早産の程度や発達、医療機関でのフォローなどによって異なるため、気になる場合は主治医などに確認してみてください。
432gから始まったAoの成長を、これからも残していきたい
Aoは在胎26週、わずか432gで生まれました。
予定日を迎えても2,000gに届かず、約7ヶ月を病院で過ごしました。
今でも、一般的な発達と比べればできないことはたくさんあります。
それでも432gだった頃のAoと比べれば、驚くほど大きくなりました。
だから私は、修正月齢や成長曲線を見るときも、
「平均と比べてどれくらい遅れているか」だけを見るのではなく、「Ao自身がどれだけ成長したか」を忘れないようにしたい
と思っています。
これは、言葉で言うほど簡単ではありません。
親ですから、他の子を見て不安になる日もあります。
病気や障害について考えて、将来が怖くなる日もあります。
それでも、Aoが昨日できなかったことを今日少しできたなら、それも間違いなく成長です。
このブログでは、そんな超早産児・ダウン症のAoの成長や、NICU退院後の生活、医療・療育・福祉制度を実際に経験して分かったことを、これからも記録していきます。
同じように早産児や小さく生まれた赤ちゃんを育てている方にとって、「うちだけじゃないんだ」と思える記録になれば嬉しいです。
そしていつかAoが大きくなったとき、私自身もこの記事を読み返して、
「あの頃はこんな小さな成長を一つずつ喜んでいたんだな」
と思えたらいいなと思います。

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